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Monthly Archive 10 月, 2005

「蝉しぐれ」

一昨日、仕事帰りに上手いこと時間が合ったので早速鑑賞。公開初日に観るなど十五年振り。十五年前に公開初日に行った映画は…と、ここで記したところで、検索してたどりついた方をガッカリさせるだけなのでまた別の機会に。このブログを始めてから映画の感想はここまでわずか三本。観に行かないわ、偏っているわで、いかんともし難い。観たいなぁとは思っても観に行きたいとまで思う映画ってあまり無いのよね。それより何より、推敲して所々削ってみたもののやはり長い文章になってしまった。しばしお付き合いを。
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以前にこの映画が楽しみだと書いたが、原作を読むべきか読まざるべきかで悩んでいた。書き添えておくとテレビ版は観ていない。 五月末に買った原作の文庫本。散々悩んだ挙句、公開一週間前に読むことに決めた。読まずに観ていたら今頃どんな気持ちだったのかは知る由もないのだが、この映画を観て良かったことは確かだし、読んでから観て良かったような気もする。そして今また原作を読み返そうと思っている。いや、その前にもう一度映画を観よう。
まず景色が素晴らしい。愛知博で出展された「レーザー ドリームシアター」とやらで観たかったと思うくらいである。愛知博には行っていないので実物がどんなだか知らないけれど縦約10m×横約50mの超ワイド大型画面らしい。 四季がハッキリしている国に生まれ育って良かった。花が咲き、雨が降り、強い日差しに照らされた稲はやがてこうべを垂れ、葉が落ちて雪が降る。一見単調と思えるその繰り返しの中に出会いと別れがあり、人生の転機や節目が訪れるのだ。
石田卓也くん演じる少年期の文四郎。父との別れの場面での、泣きたいし怒りたい、どうすれば良いのか、何を言えば良いのかわからない苦悶の表情にグッときた。もちろんあの場面は緒方拳さんの素晴らしさは言わずもがなだが、彼も置き去りにならずにくらいついていたと思う。セリフのつたなさもあるかもしれないが、色んな事柄をどんどん自分の中に抱え込んでいく鬱屈とした雰囲気を終始漂わせていたことが、後の欅御殿の一件で里村宅に乗り込んで怒りを爆発させた場面で生きたように感じる。
ふく役の佐津川愛美ちゃんが最近出演されたTVドラマを、途中までふく役の人だとは全く知らずにこの子可愛いなぁなどと思いながら観ていた。荷車をひく文四郎を手伝う時の顔もさることながら、江戸へ旅立つ前に文四郎宅を訪ねた時のせつなく可愛らしく、そして美しい表情にハッとさせられた。意思の強そうなその顔と目から、江戸での人生を乗り越えていけそうなところを伺わせる。
観終えて一番印象に残ったのは、最後の再会の場面で「ふく…」と呼ばれたときの木村佳乃さんの顔である。帰りの電車で何度も何度もあの顔が浮かんできた。小説でもそうだが、江戸でのふくについては与之助が伝える噂話以外は全くと言って良いほど描かれていない。しかしこの映画は、ふくが“ふく”であり、かつ“お福さま”で無ければ成り立たない。木村佳乃さんは映画後半になってようやく“お福さま”として登場し、いきなり文四郎が訪ねてくる。“お福さま”でいるよう心掛けていた彼女が最後の再会で堪えきれずに“ふく”に戻ってしまったあの表情に見惚れてしまった。
観る前は、監督をはじめ制作側の方々が映画化最大の敵とも言える時間的制約に対して、様々なエピソードを断腸の思いで削ったことであろうと想像していたが今は少し違う。原作を読むか否かを決めることも兼ねて色々なサイトを廻っていたのだが、電網郊外散歩道さんの9月22日の記事で、文四郎とふくの再会は連載終了後に加筆されたものだと知った。小説の最終章は「蝉しぐれ」と題がつけられており、再会の場面である。これが加筆されたものであろうか。鑑賞後の今、この映画の「蝉しぐれ」というタイトルは小説の「蝉しぐれ」でもあるが、その最終章「蝉しぐれ」でないかと感じている。様々なエピソードを削ぎ落としたというよりも、最終章「蝉しぐれ」のためのエピソードを選び集めて映像化したものが「映画『蝉しぐれ』」ではないかと勝手に受け止めている。私自身が原作を読み終えて人心地ついた時、最も映像で観たいと思った場面が最終章だったからかもしれない。
そして映像化された最終章は、原作よりも動きが無い。と言うより、文四郎とふく以外のヒト・モノを削ぎ落としてしまっているのだ。描かずに映像化した結果、先に述べたふくの表情はもちろんのこと、聴き覚え、読んだ記憶のある言葉ばかりなのにも関わらず、私の心に深く染み込んできたのだと思う。
ハッピーエンドではないけれどバッドエンドでもない。二人の初恋は、ふくが藩主の側室になった時に終わっている。その時に互いに伝えられなかった想いを、成就する道が無くなってしまってからようやく確認しあうことができ、二人はその気持ちを胸におさめて互いの息災を祈りつつ、目の前にある自分の道を歩いて行くしかない。蛇に噛まれた指、二人で見た花火、友との喧嘩、父の切腹、一足違いで会えなかった日、江戸へ連れて行かれた日…。移ろいゆく季節の中、忘れようとしても忘れられないものがまた一つ増えたのである。
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こうして感想を書いてみると「あぁ、あの場面もう一回観たい…」と、いくつもいくつも浮かんでくる。「こうだったら良かったな」と思うところが無いわけではないが、それはこの作品に入り込む余地は無いだろう。
おすすめの観かたは「天気の良い日の朝一番の回を観た後、景色の良いところで気が済むまでボーッと過ごす」といった感じかな。
このサイトに何度か来て頂いたことのある方ならご存知だと思うが私は染さんのファンで、この映画を観るきっかけの大部分はそれだったりもする。もちろん文四郎についても色んな場面が印象深く心に残っている。しかしファンであるがゆえに、観る前から他の役者さんとは少し心持ちが異なってしまうことも事実で、なかなか書き出せないのだ。と、それにしても本当に染さんの感想を何にも書いてないなぁ。まぁ、書いているうちに文章が(というより私が)壊れてくるからやめておくという話もあったりするのだが。
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映画「蝉しぐれ」公式サイト
本文中に掲載させて頂いた電網郊外散歩道さんの映画感想の記事にトラックバック。翌日の原作に関する話題と合わせて読むことで、さらに深まりますよ。
※本来は原作、映画とも「蝉」の字は旧字体である。

カテゴリに「俳句」を追加

昨年末以来、トップページ左上に「ハイクブログ」で登録した俳句を掲載していた。句を入力するだけで、予め選んでいる短冊型の台紙に合成して表示してくれるという実に素晴らしいサービスである。しかし先日、株式会社ライブドアさんに吸収されて「livedoor ハイクブログ」というサービスに変更になると発表された。現在管理されている方も、引き続きハイクブログの企画・運営に関わるとのことである。発表内容を確認すると「将来的にはライブドアIDを利用する形になります。」とあるため、現時点で「将来的にライブドアIDを利用するとは考えにくい。」ので、残念ながら退会することにした。既にハイクブログ内の私の句は全て削除済みである。
ハイクブログ運営のみなさま、素晴らしいコンテンツをありがとうございました。今後のみなさまの発展をお祈りしております。
さて、今後はどうしよう。下手の横好きは百も承知だがせっかく始めた趣味である。「俳句」というカテゴリを追加し、このお気楽草紙内で俳句を作って行くことにした。あまり複雑な作業にすると詠まなくなってしまうので、かなり味気ないがテキストのみ。そのうち何か良い方法を思いついたら何かするかもしれない。たぶん何もしないけれど(笑)。

戦いすんで日が暮れて…

プレーオフが終了し、これでライオンズの2005シーズンも終わった。一泡吹かせることを期待しなかったわけでも無いが、シーズンの成績を考えるとこの結果も仕方ない。パ・リーグ代表は、ホークスかマリーンズか。10月12日からの決戦が楽しみだ。
私的には、西口投手がこの最終試合まで元気に登板を続けてくれたこと、最多勝争いをするほどの安定した投球を続けてくれたことが嬉しかった。前半戦のまとめ・西口編に続き、後半戦のまとめも掲載する予定。
本日の西口投手
   5回2/3 93球  被安打8  奪三振2  四死球1  失点3  自責点3

ポイントを抑える

最近、ちょっとずつポイントがズレている。買った馬はみんな掲示板に載っているのに当たっていないとか、コレだと思った人気薄の馬が馬券圏内に来ているのに、実際に買った馬券にはあまりその馬を絡んでいなくて…、なんてことが多い。ま、外れるときはそんなものか。
昨日は9回騎乗中一番人気が7回、1着が5回と相変わらずの爆勝ぶりを見せ付けた武豊騎手。本日の9鞍は7つの一番人気に2つの二番人気。そして1着1回。アタシャ、すっかり振り回された。武豊的には、ある意味究極にポイントを抑えた今日の唯一の勝鞍だったかもしれないけれど…。
画像はJRA-VAN NEXTより。

「しゃばけ」畠中 恵

実は表紙買い。本が読みたいなぁ、と思い、どうせなら「2005 新潮文庫の100冊」のプレゼントを貰おうと、なんとか選んだうちの1冊。小説だと海外ミステリものなんかはちょくちょく読むのだけれど日本のものはあまり読まない方なのだが、その時の気分にあうものが今回の100冊にはみつけられなかったため、本当に苦し紛れで選んだ。そんなにキャンペーンにこだわる方がおかしいのだが。
「日本ファンタジーノベル大賞」第13回優秀賞受賞作品だそうである。舞台は江戸で主人公は大店の若旦那。そして彼を取り巻く妖怪たちがなんとも可愛らしい。気軽にテンポ良く読むことができ、実に肩の凝らない作品。続編が出ているようで、文庫化を待って読もうと思う。