引き続き2010年に詠んだ句2月編。
推敲しながらツイートしている句も多いですが、、2月は随分詠んでいます。
気に入っているのは、下から5つ目の春一番かな。
—————
- 2010年02月
- 蝋梅が 誘ふいつもと 違う道
- 名ばかりの 暦の春に 身も凍え
- 昇る陽が 照らす枝先 梅一輪
- 寒風と 遊ぶ子供の 笑い声
- アカギレた 指を横目に 切る大根
- つかの間の 寒のゆるみに 荷物増え
- 氷雨降り 酒気も鎮まる 帰り道
- 氷雨降り 酒気の鎮まる 帰り道
- 菜の花の おひたし添えて 朝げかな
- 残雪に つけた足あと 振り返る
- 馬の背に 湯気立ちのぼる 余寒かな
- 春一番 早くふけよと 衿立てる
- 故郷へと 旅路を急ぐ 春北斗
- 空路より 眼下に望む 斑雪
- 母の背を 見つめる路地に 春落ち葉
- 母の背を 見つめる庭に 春落ち葉
- 灰色の 空青くなる 雨水かな
- 草萌えや 出会いの予感 胸に秘め
- 思い出は 苺の香り 晴れた空
- 春灯や 友の家へと 導かれ
- 迷い道 頼りにするは 春灯
- 境内の 夕闇溶かす 春灯や
- 人馬とも 誇らしきかな 光の春
- 入学を 待ちきれなくて 春浅し
- 手袋を しよかしまいか 淡き春
- 恋しくて 貴方の声に 春を聞く
- 自転車の かごに一片 春落葉
- 南へと 春を迎えに 旅に出る
- 桜貝 波打ち際の 小さな手
- 貴方への 手紙にそっと 桜貝
- 坂道で 振り向く景色 春霞
- 坂道を ふと振り返る 春霞
- 食べれるの 児(こ)が不思議がる 蕗の薹
- 花粉症 出ない此方が 恐縮し
- 境内に 掃き寄せられる 春落葉
- ほろ苦い 恋の思ひ出 蕗の花
- 待ち人は 今日か明日か 春一番
- 春一番 将軍押し退け 胸を張る
- 菜の花が 舞い踊りしは 黄蝶かな
- 春塵を 流す雨雲 一休み
- 銀メダル 喜び悔しさ 二月尽
- 灯明に 見立てて祈る 牡丹の芽