皆なにかを抱えて生きている -北のカナリアたち-

先週見た映画「北のカナリアたち」の感想を。

実は吉永小百合さんの映画を劇場鑑賞したのはこれが初めて…どころか、主演映画自体あんまり見ていないと思う。
まあ何故劇場まで見に行ったかというと、北海道が舞台だったから…という冗談はさておき(あながち冗談でもないが)、「告白」の原作、映画から受けた衝撃が強烈だったので湊かなえさんという名前に惹かれたのだと思う。
本作品は湊かなえさんの原作ではなく原案。
よくドラマなんかで当初原作だった筈なのにモメちゃって途中から原案に…ってのとは違うようだ(当たり前だろ)。

島の分校で教師をしていた女性と6人の教え子たちの物語。
とある事故がきっかけで女は教師を辞め、とある事件がきっかけで女は当時の教え子たちを訪ね歩く。
映画は現在と分校時代を行き来する構成。
私はこの行ったり来たりのスタイルは嫌いではない。
感心したのはよくまあこれだけ現在の役を演じている役者さんたちと繋がる子役を集めたものだということ。
3,000人を超えるオーディションから歌声を重視して選ばれたらしい。
またいい演技するんだわ、この子ら。

子供の頃って、何気なく言ったことやったことが後々になってどんでもないことになったりするんだよね。
そりゃァ中には思慮深い子供もいるだろうけれど、子供なりの思慮深さなわけで、経験値ってのがどうしても足りない。
大人になってみればなんでもないことに怯えていたり、嫌悪感を抱いていた筈なのに自分が大人になってみたらなんの疑問も違和感もなく同じ言動をしていたりする。
あの頃は幼かった若かったで済まされること済まされないこと、あの頃の自分の許せること許せないこと、そして、今の自分…。
人によって大小はあるだろうけれど嫌な思い出ってのはあるわけで、今の毎日を過ごすためには思い出さなくてもいいことは記憶の隅に追いやって忘れたつもりで生きている。
でも、事実は消せない。
だから人は事実を受け止めて、他人や自分を許して生きていく。
目をつむるのは甘やかしであり、許すという行為は心に力が必要…そんな映画だった。

撮影はあの木下さん。映像、風景、素晴らしいです。

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