52句です。
桜に関する句が3分の1くらいかしら。
今年の関東は桜が早かったので今月はここまで詠まないだろうなあ。
代わり映えしない季語ばかりなのは反省。
少し時間を取って作ることをしないと駄目ですな。
- さくらさくさくらさくさくさくらさく
- 桜咲く桜咲く咲く桜咲く
- しなだれて枝垂れ桜に酔いしれて
- 満開の桜の下でわかれうた
- 唇にのせた桜を奪い取る
- 空青く喪服の肩に花吹雪
- 花疲れ墨絵となりし世界かな
- 散る花に縁取られてや水鏡
- 散りゆくは花の運命とあきらめて
- 漕ぎ出だす川面は光る桜色
- ゆるゆると桜のいかだ競いあう
- シエスタは桜吹雪の絨毯で
- うなじから名残の桜滑り込む
- 葉桜に残る一輪寂しげに
- 桜蘂(さくらしべ)降り積む庭に主なし
- うたた寝てしおりとなりし桜蘂
- 靴の中いたずらするは桜蘂(さくらしべ)
- しとしとと色深まりし八重桜
- しずく溜め八重の桜の丸くなり
- かき揚げも紅差し恥らう桜蝦
- 貌鳥の鳴いて引かれる後ろ髪
- 遠き日の君はいつしか貌よ鳥
- 桟敷から探す舞台の貌よ鳥
- 北窓を開けて吹き込む風の色
- 北窓を開けるその背の老いた母
- 北窓を開けて畳の縁光る
- 清明や自転車を駆り坂上る
- 清明や振り返る君きらめいて
- 洗われた街は清明空青く
- 若草に老いた我が身を励まされ
- 若草や恥ずかしげもなくきらきらと
- 若草や光を浴びて光を放つ
- 山繭や月に照らされどんぶらこ
- 山繭や苦い初恋包みこむ
- 鳥曇待って旅立つ未練かな
- その先の空は青いか鳥曇
- アスファルト隙間の草にも穀雨降る
- 空っぽの我が財布にも穀雨降れ
- 春暑し手に持て余す上着かな
- 春暑しスカーフ取る手しなやかに
- スカーフをするりほどいて春暑し
- 永き日の散歩は少し遠回り
- 白鳥の帰るをせかし涙拭く
- 葬送の形見となりし別れ霜
- 笑み浮かべ玉巻く甘藍押し潰す
- 春の川水に流せぬこともあり
- 昼夜の顔使い分け月日貝
- 物種を蒔いて心の支えとす
- 山帰来道に迷いし我諌む
- 目を閉じて語らう君は春の鵙
- 待つ待たず一人静に見守りぬ
- 真下から見上げる藤の艶やかさ