2012年6月の句

自由律を含めて52句出していました。
意外と梅雨の句がないんですよね。
去年の自分の方がいい感性してるわ(苦笑)。

  • 見上げれば我を見下ろす皐月富士
  • 昨夏の服を着られてほっとする
  • 眩しきはきみの笑顔か夏服か
  • 子供らが土遊びする芒種かな
  • ゆりかごを畝間に置いて芒種かな
  • うたた寝て日没前の芒種かな
  • 梅雨入りや木々の緑にむせ返る
  • 梅雨入りや緑の匂い深々と
  • 梅雨入りや苔むす石は鮮やかに
  • 折り傘は降らぬ御守り梅雨かな
  • 梅雨寒の夕暮れひとり待ちぼうけ
  • 梅雨寒やしずく受けとめ震える葉
  • 紫陽花が雨を待つよに咲き始め
  • 紫陽花や活けて座敷にそよぐ風
  • 紫陽花の降る雨静か午後の庭
  • どしゃ降りを笑う紫陽花揺れる朝
  • 紫陽花の角を曲がれば青い空
  • 咲き誇る孝行娘茄子の花
  • 庭のすみ数え唄する茄子の花
  • 見せ掛けの淡さ優しさ茄子の花
  • 茄子の花枯れて始まる身の運命
  • ギヤマンが波間に揺れてかくれんぼ
  • ギヤマンに弾ける泡は緑色
  • 歪むのはギヤマン越しの此方かな
  • 横顔を見やる褥の明易し
  • 夜更かした休みの朝も明易し
  • 短夜の嵐に備え帰宅の途
  • 短夜の目覚めて今朝は雨となり
  • 夏至の陽が落ちるかのよに恋に堕ち
  • 街の灯が点って気づく今日は夏至
  • 夕闇がネオンに変わる夏至の夜
  • 日没に待ち合わせする夏至の恋
  • 指先の痛い思い出薔薇の庭
  • 水張られ田に青空が降りてくる
  • 桑の実で染めた唇押しあてて
  • 恋すれど桑の実ほどに甘からず
  • 夕闇が照らす桑の実潰す指
  • 藻の花を星に見立てて昼寝かな
  • 亡骸は花藻に包まれ水の底
  • 藻の花や岸に寄せたり離れたり
  • 花藻摘み我もいつしか水の中
  • 葛切や指の黒蜜ひと舐めす
  • 幼子や葛切りを食み首傾げ
  • 冷たきは河鹿の声か川水か
  • 苔茂る城跡の朝ゆるやかに
  • 校庭の塀の隙間の苔青し
  • ヒルガオにさよなら三角また明日
  • 恋占い切れたら負けよさくらんぼ
  • さくらんぼ最初に食べよか後にしよか
  • 竹笊の網目に掴まるさくらんぼ

自由律

  • 月と思って見上げたら街灯だった夏の宵
  • 竹のように生きるつもりが笹舟のように流される

 

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