こうして振り返ると、こんな季語で詠んでいたのかと自分に関心します。
今の自分より感性が良くて哀しい(苦笑)。
- ほろ酔いのミモザ傾け見つめ合う
- 夕食にミモザ散らして帰り待つ
- ミモザ咲く揺れるあの娘の髪飾り
- 走る道変わらぬ景色春動く
- 風のなか髪をほどいて春動く
- 雛人形年を取るのは我ばかり
- 雛人形遠きあの日は鮮やかに
- 曇天に跳ねるあられやひな祭り
- 観梅や遠見にしよか近寄ろか
- 観梅や香りとともに昆布茶飲む
- 白鳥の帰るを送る静寂なり
- 白鳥の帰る空見て便り書く
- 暮れなずむ夕陽に映る春の色
- 春色に染まれと干したシーツかな
- くすり指はめた指輪は春の色
- 春色や踏み出した足に降り注ぐ
- 春色や歩き出す君眩しくて
- 春色の汽車に乗ってとマイク持つ
- 春光や浴びて後悔紫外線
- 春光を浴びよと向かう展望台
- ものの芽や見え隠れする笑顔かな
- 芽柳に届けと伸ばす小さな手
- 柳の芽見上げて跳ねる園児の列
- 旅立ちの背中見送る柳の芽
- 柳の芽頬ふくらませ風に耐え
- 芽柳に別れを告げて都会へと
- 砂舞ってタイムラインも春嵐
- 後朝の涙ぽつりと落椿
- 椿落つ音に驚く静寂かな
- 椿落つ音に気がつく静寂(しじま)かな
- 雨戸開け数える今朝の落椿
- ためいきを掃いて集めた落椿
- 春の服まだ寒いのよ抱きしめて
- 真っ白な器ならべて春を盛る
- 明日は散る運命(さだめ)受け容れ咲き誇る
- 帯解いてはらりと落ちる桜花
- 降る花を帯に受けとめ届けたい
- 満開の桜さがして北へ北へ
- 末黒野に降り立つ烏目を閉じる
- 種蒔きの人に送られバスを待つ
- 荷を抱え物種蒔くを見遣るバス
- 物種を蒔いて嵐の如く去る
- 降る雨の運ぶ春愁茶を点てる
- 春愁や別れ引きずる出会いかな
- 正直に生きる気苦労春愁や