競走馬に怪我は付きものである。
昨日は久しぶりに東京競馬場で観戦したのだが、第6競走でセイウンクロス号が、続く第7競走ではビームマシンガン号と、西山オーナーの馬が二頭続けて故障発生により競走を中止してしまった。
セイウンクロスは観戦していた目の前で止まった。
下馬した三浦皇成騎手は直ぐに鞍をはずして首筋に手を添えて寄り添っていたのだが、おもむろに自身のヘルメットを取って少し離れたところに投げ置くとセイウンクロスの首筋に頬や額をつけてやり、係員が到着するまで撫でたり軽く叩いたりしてなだめ続けていた。
素晴らしく晴れた空と光り輝く芝に挟まれた悲しい一コマだった。
ビームマシンガンの鞍上は蛯名騎手。
こちらの現場は自分が見ていた場所からは少し遠かったのだが、やはり下馬した騎手は馬に寄り添っていた。
やがて到着した係員と交代するために歩き出した蛯名騎手に着いて行こうとするビームマシンガンはよろけて倒れそうになる自らを支えるのが精一杯だった。
二頭とも残念ながら予後不良との知らせがJRAから発表された。
蛯名騎手は今日、フェノーメノ号と共に春の天皇賞を二連覇した。
馬も人も事故、怪我、死と隣合わせで走りながら栄光を目指している。