2012年11月の俳句

昨年の俳句は明日、お送りします。
2012年は自分で読み返してみても好きな俳句が多いんですよね。

  • 秋寂びて書店でめくる旅雑誌
  • 秋寂ぶの書店でめくる旅雑誌
  • 秋寂ぶや旧き友らに便りする
  • 秋寂ぶや夕げの香りが押し戻す
  • 秋寂びの背中見送る通夜の席
  • 秋寂ぶの街・人・涙・晴れた空
  • 秋寂の夜は互いに騙されて
  • 漸寒(ややさむ)の朝の別れは耐え難し
  • 漸寒や薄着を悔いて急ぎ足
  • やや寒や吐く息はまだ白くない
  • 立ち待ちの月見下ろしてやや寒し
  • 晩菊や知られずに散る運命(さだめ)かな
  • 遅咲きの菊を携え墓参り
  • 洗い髪頬に冷たく冬隣
  • 行く秋や雨に濡らした裾重く
  • 行く秋を惜しむ間もなくクリスマス
  • 行く秋の背中抱きしめ泣いたふり
  • 行く秋やエスプレッソとチョコレート
  • よっこらしょ重い腰上げ冬立ちぬ
  • 縄跳びの縄は鞭ではありません
  • 縄跳びや夕陽とともに二人跳び
  • 縄跳びに寄っては逃げる子犬かな
  • ドヤ顔で二重跳びする近所の子
  • 病から床上げて見る帰り花
  • 散歩道帰り花見て引き返す
  • 帰らぬと駄々こねてみる返り花
  • 境内の帰り花見てこころ晴れ
  • 歌舞伎座の破風見上げてや帰り花
  • 焼鳥の串くるくるとひとり酒
  • 焼鳥の串一本につき猪口一杯
  • 焼鳥や相手の串を数えてる
  • 焼鳥や隣の串を数えてる
  • 焼鳥や塩とたれとで意地を張る
  • 川面から吹き上げる風枯柳
  • 濁る池映る柳の枯るるかな
  • 水鳥の浮かぶ水面はあかきいろ
  • 里山に押し寄せる冬止まる時
  • 初雪や白きベールが覆う街
  • 言い掛けた言葉とともに蕎麦湯飲む
  • 唇を湿らす湯気は蕎麦湯かな
  • 薄味の蕎麦湯のやうに浅き仲
  • 夜話(よばなし)の声の甘さに眠り姫
  • 夜話や声の甘さに眠り姫
  • 夜話に騙され迎えた二日酔い
  • 夜話や朝まで指に触れもせず
  • 小雪や粥に浮かべた匙沈む
  • 小雪や足踏みしながら待つ信号
  • 小雪や障子越しの陽弱々と
  • 小雪や煮炊きしながら暖をとる
  • いい夫婦(1122)誰が評価をするのやら
  • 木枯らしに負けないなんてきれいごと
  • 木枯や頬赤く染め誰を待つ
  • 木枯やペダル踏みしめ立ち向かう
  • 芭蕉忌や人生をたびと読んでみる
  • 芭蕉忌や見上げる空に雲はなく
  • 芭蕉忌や我が道未だ見えてこず
  • 芭蕉忌や生きていくことそれが旅
  • 色移る空見上げてか冬木の芽
  • 見られたい見られたくない冬木の芽
  • 触れようと出した手を引く冬芽かな
  • 言い出せず恋の冬芽をあたためる
  • 庭先の冬芽数えて恋占い
  • 迷い道戸惑う我は千鳥かな
  • 人波に飲まれし我は千鳥かな
  • 切干や戻し忘れた朝の悔い
  • 切干やもとに戻れるわけじゃなし
  • 切干や器の白さ眩しくて

自由律俳句

  • フライドポテトをやり過ごし石焼き芋に耐え忍ぶ
  • あのよろし二の腕に青たん手札に赤たん
  • 掻き集めるつもりで実は掻き集められている酉の市
  • 西ではないの酉なの

 

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