一昨年の俳句をお送りします。
明日は昨年一月の俳句を掲載いたします。
にしても、二重季語やっちまってるよ。
ここは敢えてそのまま掲載!(威張って言うな)
- 頬よせて揺れる破魔矢の鈴鳴らん
- 寒空に破魔矢たずさえ闊歩する
- 人生の寒の入りまでいま少し
- 寒の入り夜道に響く咳の音
- 寒の入り澄んだ夜空に恨み節
- 更新の止まったブログ寒の入り
- 小寒や背筋伸ばしてはね返す
- 小寒や温めすぎて消えた恋
- 小寒や葱がこすれてキュッと鳴る
- 小寒や貴方想って胸熱く
- 小寒やくもり硝子に何を書く
- 小寒や煮炊きの湯気で暖を取り
- 七草を七癖といい笑われる
- 七草を覚えたつもりで二つまで
- 塩引の鮭が焼けるをじっと見る
- 福寿草菓子の包みとおんなじね
- 松明けもやはり変わらぬ待つ身かな
- 松明けて届く賀状のせつなさよ
- 松明けてシャドウの色を変えてみる
- 探梅のひと追い越してなに急ぐ
- 探梅やふと気がつけば知らぬ街
- 金平糖角消えるまでくちづけて
- 雪だるま芯(なか)はピンクの金平糖
- 凍空や金平糖の降る夜道
- 餅の花きいろはないのと首傾げ
- 餅花の揺れるを見上げはしゃぐ子ら
- 黄金の締込み眩し初場所や
- 初場所や外に負けじと塩の雪
- 初場所や外に負けじと塩が降る
- 初場所や寝坊した朝寄せ太鼓
- 立ち合いの妙で金星初場所や
- 立ち合いに今年占う初場所や
- 金星や年の始の波乱かな
- 小正月いまさらだねとあけおめメール
- 解け落ちる雪の雫や小正月
- 仏前に餅供えてや小正月
- ざくざくと砕く足もと小正月
- 雪灯照らす横顔騙されて
- 雪道や踏み込む腰の引けるさま
- 雪道や反す灯りのやわらかく
- 闇の道氷砕いて去る車
- 爪先の霜焼け忘れ雪遊び
- 仏壇に合わせる両手霜焼けて
- 陽に当たり溶けゆく雪の音聞こゆ
- 薬喰あれこれ勧める祖母の知恵
- 寒喰と称してぶくぶく太りゆく
- 寒凪や静けさに怯え取る電話
- 寒凪やはやる思いを託す舟
- 寒凪や遠くそびえる富士の山
- 冬凪や砂が吸い込む波の音
- 冬凪や信号待ちの交差点
- 冬凪や胸に荒波秘めて生く
- 雪礫(ゆきつぶて)割れた中から飴ひとつ
- 雪礫並べて塀の陰で待つ
- 雪礫青い空へと投げ上げる
- しなやかに猫伸びる影冬障子
- 冬障子気づかれぬよに頬寄せる
- そっと開く冬障子から滑る風
- 張りつめた冬障子開ける月夜かな
- 鳴り響く電話に震える冬障子
- 不意に鳴る電話に震える冬障子
- 冬障子見えないようで見える影
- 天狼や見おろす彼を見あげてる
- 天狼や切り立つ崖が受ける波
- 天狼や未だ見えない進む道
- 天狼や視線の先は何処なり
- 米つぶと寒泳ぎする母の手や
- 夜の街ひとり彷徨う寒泳ぎ
- 触れたくて触れられぬ君寒椿
- 寒椿通り挟んで見つめ合う
- 煩悩を書き連ねつつ冬安居
- 冬安居消せぬ煩悩抱きかかえ
- 一句出ず明日にしよかと冬安居
- 夕飯は済ませてきてよと冬安居
- 入試行く我が子見送り冬安居
- 冬安居先にあるもの見えてこず
- 滝凍つるこの世にしがみつく私
- 凍滝とともにこの世も止まれと云ふ