2014年3月の俳句

案外春らしい俳句が作れているのではないかと思います。
下手の横好き自画自賛。

  • 春帽子洒落たつもりが悪目立ち
  • 春帽子風に飛ばされ駈ける児ら
  • 春北風(はるならい)窓辺に干した傘二本
  • 春北風廃線覆う草の波
  • 知らぬふり聞こえぬふりは磯巾着
  • 息とめてページ繰る音遅日かな
  • 春雨と呼べる程度の降りでお願い
  • 啓蟄や一人暮らしも慣れた頃
  • 啓蟄や心ばかりが先走り
  • 啓蟄やころころ笑ふ赤子かな
  • 啓蟄や吹き荒れる風身を潜め
  • お隣と根分け差し上げ頂いて
  • 母の郷根分けの鉢を受け取らん
  • 荷造りに手間取るうちに鶴帰る
  • 引鶴と無言で過ごすモノレール
  • 引鶴や残される身の色褪せて
  • 柳の芽数える女(ひと)の見えぬ足
  • 眠りなさい揺れる芽柳催眠術
  • 柳の芽別れを告げる通学路
  • 膨らむは期待と不安柳の芽
  • 春嶺と空の隙間に線を引く
  • 春嶺や高層ビルにかくれんぼ
  • 春嶺や進め歩けと世知辛く
  • 春嶺や裾野の先に傘の峰
  • 春嶺や空路陸路の辿る果て
  • 春分や風吹き荒れて綱転ぶ
  • 春分や香のたなびく墓前かな
  • 春分や往路復路の真ん中で
  • 紫雲英田(げんげだ)を歩幅で測る散歩道
  • 紫雲英田に見え隠れする子らの声
  • 春コートその一瞬に賭ける恋
  • 春コート旬は短し乙女たち
  • 春コートボレロのリズムで歩く街
  • 待ち合わせ裾ひるがえす春コート
  • 靴コートストール一気に春仕様
  • 初花や愛でてめでたき門出かな
  • 傘閉じて瞳の奥の初花や
  • 初花に誘われ雨の散歩道
  • 初恋は蕾のままの桜かな
  • りん鳴らす忌明けの朝の雲雀かな
  • 鼻歌のバックボーカル揚雲雀
  • 坂道を駈け出した子ら雲雀かな
  • 木蓮の下で散華の降るを待つ

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