2014年5月の俳句

初夏から夏に移るのが速いのは気のせいではないですよね。
季節のつなぎ目をもっと感じたいものです。
では、昨年五月の俳句をどうぞ。

  • 朝の道めじろ飛び立つ静寂かな
  • めじろ鳴き友の墓まで案内する
  • 赤い糸ほどいて飛ばす麦の風
  • 麦の風なにも運ばずだれも来ず
  • 麦嵐髪結い直す手の定まらず
  • 麦嵐ペダル漕ぐ足止めてみる
  • 卯月波別れ話のリフレイン
  • 短夜の目覚めた横に姿なし
  • 線香の番をする身や明易し
  • 明易しゴミ出しの日を間違わん
  • 始発まで飲んで騒いで明易し
  • くだ巻いて店追い出され明易し
  • カーテンの合わせに隙間明易し
  • 夏木立走り抜けたる駿馬かな
  • 竹落葉踏んで振り向くひと殺し
  • 竹落葉風に吹かれて舟となる
  • 指先で竹の落葉を赤く染め
  • 竹落葉重なり合うて息絶える
  • しのぶればもたれた竹の葉の散らん
  • 竹の葉散る探し物などありません
  • 何処から竹の葉の散る散歩道
  • 竹の葉の散りて見えなくなる昨日
  • 揺れる風折り目新し麻暖簾
  • 麻暖簾折り目も未だ新しく
  • かんざしを引っ掛け腕押し麻暖簾
  • 麻暖簾香のけむりをやり過ごす
  • 箱釣や少し近づく君の頬
  • 箱釣や三尺踏むも気づかずに
  • 葉柳やもいで一枚栞とす
  • ペディキュアの刷毛揺れるかな夏柳
  • 陽の光射止めて揺れる夏柳
  • 夏柳縄のれんかと思いきや
  • 朝ぼらけしなだれかかる夏柳
  • 頬撫でる風知らぬふり夏柳

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