第二部。1階一桁列20番台。わらび餅(土産持ち帰り)。そう言えば、第一部から続けて観たのに食事しなかったなぁ。
一、「伊勢音頭恋寝刃 -油屋、奥庭-」
福岡貢 ...三津五郎
お紺 ...福助
今田万次郎...勘太郎
お岸 ...七之助
徳島岩次実ハ北六
...亀蔵
仲居千野 ...鐵之助
藍玉屋北六実ハ岩次
...錦吾
お鹿 ...弥十郎
料理人喜助...橋之助
仲居万野 ...勘三郎
勘三郎さんの万野が怖すぎ。席がちょうど視線の先で、睨まれてるような錯覚に陥ってしまってドキドキしちゃったよ。三津五郎さんは白絣が良く似合っていてらして、すっきりとしたというよりもかっちりとした男前。それだけに、とち狂って切りつけている間との落差が印象的。縁切りから殺しと言えば、背景が明確に違うものの六月の三五大切を思い出す。どっちも救われるんだか救われねぇ話なのかわかんないけれど、自分はこういう殺し場って好きな方なのだが、性格歪んでる? 橋之助さんは喜助のような気持ちの良い役が似合ってらっしゃる。万次郎とお岸が今ひとつ恋仲にみえなかったというか、七之助くんがちょっと色街の女にみえなかったのが残念。品が良すぎるのかな? と、あれやこれや感じたことを書いたものの、まぁ、あれだ。あまりに前の方の席だったせいか、万野の怖い顔が一番印象に残ってしまったのであった。
二、「けいせい倭荘子 蝶の道行」
小槙...孝太郎
助国...染五郎
踊りも音楽も凄く素敵なんだけれど、あの二つ目の衣装は凄すぎ。でも、これは二度と見られないかもと思ってお二人の舞台写真を買ってしまう私もちょっとどうかしているけど(–; だって、まだ筋書きに写真が入って無いんだもの(入ったとしてもあの衣装の写真が載るのか?!)。六月もさんざっぱら書いたような気もするけれど、このお二方の組み合わせは大好きなのでとにかく色んなものが観たい!! 衣装が多少奇抜だろうと、照明や舞台がケバくても問題なし。とは言うものの、伊勢音頭の感想でも書いたのだが、席がかなり前の方だったこともあり、背景と二人のコントラストについてはあまり観ることができなかったから、舞台を観て最初こそウォッと思ったのだがでもって肝心の中身なんだけれど、孝太郎さんがとても可愛らしくてねぇ。それだけに余計、終盤の責め苦の場面が痛々しい。男女の番での責め苦のせいか、苦しいとかせつないというより痛々しいんだよなぁ。観る前からこのお二人で恋仲の役柄ってだけで満足してしまっている自分がいたこともあってか、すっかり入り込んでしまい、踊りの流れというかストーリーに合わせて感情が揺れ動いていた。テレビを観ている時なんかに、自分が険しい顔になっていることに気づいてハッとすることってない? 倒れている助国に小槙が折り重なった時に、そんな感じでハッとしてしまった。
三、「銘作左小刀 京人形」
左甚五郎 ...橋之助
女房おとく...高麗蔵
井筒姫 ...新悟
奴照平 ...弥十郎
京人形の精...扇雀
良くデキた女房で甚五郎は幸せだねぇ。でもこの橋之助さんの甚五郎、前半の京人形との連れ舞と合間の小芝居のコミカルさ、後半の大工道具を使った立ち廻りのキビキビした感じがとても気持ち良かった。どろどろケバケバを観た後だけに、本当に楽しかったわぁ。高麗蔵さんのこういう女房役って好きなんだよねぇ。扇雀さんの京人形は、サイボーグチックな顔が凄くて目が放せない(笑)。
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ってなわけで、今年の納涼歌舞伎鑑賞だったのだが、昨年の綱豊卿から一年経っていることに驚愕。残念ながら第三部は都合のつく日のチケットは取ることができなかったので諦めた。歌舞伎以外も含めると他の串田さんのお芝居は二つ、三つ観たことはあるのだが、法界坊は一度も観たことが無い。まぁ、ご縁が無いのだろう。