前日に引き続き、またも渋谷へ。
「霧の旗」1977年 原作:松本清張 監督:西河克己
古いけれど古臭くない。「昭和」は既に現代ではなく、着々と近代という位置付けに変化しつつある。今の時代に観ても面白く感じられるのは、そんなところに要因があるかもしれない。また、決して「百恵友和映画」になっていないことも好印象。公開当時の宣伝やら評判は記憶にないけれど「百恵友和!!」って感じだったのだろうか?
無実の罪で逮捕されて獄死した兄の復讐をする妹を演じるのが百恵さんである。復讐する相手は兄の弁護を引き受けてくれなかった大物弁護士。正直、とばっちりのような気がしないでもないけれど、原作はどんな風になっているんだろう。そうそう、めずらしく原作を読んでみたくなった映画だ。
小山明子さんは綺麗だし、三國連太郎さんもハマリ役。
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「風立ちぬ」1976年 原作:堀辰雄 監督:若杉光夫
戦争に不治の病という純愛悲恋の王道。ベタである。確かにベタではあるのだが、いやらしい悲壮感がないので落ち着いて観ていられる。「風立ちぬ、いざ生きめやも。」という言葉が心に残る。
芦田伸介さんの存在感はいわずもがなだが、医者役でワンシーンのみ出演される宇野重吉さんが素敵だ。娘が重度の肺結核であることを、煙草を吸いながら父親に告げるという現在なら絶対にありえないシーン。三浦友和さん演じる○○の先輩で無骨な学生を松平健さんが熱演。