2010年に詠んだ句3月編。
この月は自分でも好きな句が多いかも。
特に気に入っているのは、9つ目の春障子と15番目の制服でしょうか。
孫どころか子もいないのですが、春障子という言葉からパッと情景が目の前に浮かんだというか、まさに天から降ってきた句でした。
制服に…ですが、私自身は私服の高校へ進学したため学生服は中学で卒業しているものの、やはりここは女子高生と考えるのがベストですかね。
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- 2010年03月
- 春雨が 祓い清める 杜の道
- にじり口 土のにほひに 春兆す
- 雛人形 並べて置くは 銀メダル
- お雛さま 車窓に映る 二人かな
- 春の陽に 子供らの声 きらきらと
- 凍て返り おでんを仕込み 主(あるじ)待つ
- 春雨や 一足先に 傘満開
- 啓蟄や も少し待てと 雨が降る
- 春障子 うたた寝覚ます 孫の影
- 旅立つを 留まらせるは なごり雪
- 春日向 求めて歩く 散歩道
- 鳥雲に 託す郷への 不義理かな
- 歓声と 打球の行方 風光る
- 合格の 知らせよ届け 春疾風
- 制服に 別れを告げる 春疾風
- ささやきは 春の疾風か 亡き人か
- 祝い酒 春三日月の 盃で
- 来ぬ人を 枝垂れ桜の 雨に待つ
- 花こぶし 里に流れる 白き川
- ホームにて いざ都会へと 山笑ふ
- 我が打線 蛇穴を出るは いつの日か
- 沈丁花 旅立ちの日に 師を訪ね
- 衣衣の 別れ引き留め 沈丁花
- 秘めたるを 隠しきれずや 沈丁花
- 春休み 自分にサヨナラ コンニチハ
- 引鶴や 見送る彼も 独り立ち
- 引鶴や 花束抱え 涙声
- 花冷えを 通り越す夜 熱燗で