今更のこんぴら・壱

四月に観に行ったこんぴら歌舞伎の感想を…。

少しずつ感想を書いてはいたのだが、普段の歌舞伎見物とは違って何度まとめ上げようとしてもまとまらなかった。なんかさ、私、金丸座に負けた…って、意味わかんねぇぇぇぇぇっ!いやさ、別に普段は歌舞伎座や国立劇場に勝ってるから感想を書けるってことじゃなくて、なんていうのかなぁ。ま、旅慣れしていないんすよ。

琴平到着から金丸座までについては4月15日に記している。

観劇初日は第二部を鑑賞。通札と団扇が入った袋を受け取り、お茶子さんに案内されて仮花道を舞台に向かって進む。「こちらを渡っていただいて一番奥になります」と言われて下を見ると、おぉ、これが噂の平均台!よろけながらも席に辿りついて芝居小屋の中を見廻してみると、観客を含めた全てのものが幕が開くのをいまかいまかと、舞台に向かって前のめりになって待っているというか、覆いかぶさっているような感じがする。まぁ、私自身のテンションが異常に高くなっていたせいだろうけど。

一、金毘羅のだんまり

「だんまり」って好きなんだよなぁ。しかも今回はただでさえハイテンションなところにもってきて、狭い舞台に沢山の登場人物がひしめき合ってるものだから意味も無く嬉しくて仕方なかった。自分でもどうしてこんなにだんまりが好きなのかよくわかんないけれど。ただ今回は席が前過ぎたけれど、こんぴら歌舞伎鑑賞第一弾としては申し分無し。

客席真上の藤棚から降ってきた桜の花びらが何枚か今も財布に入っている。

二、日向嶋景清

吉右衛門さん演じる景清の虚しさや悲しみ、苦しみ…色んな感情が怒涛のように押し寄せてくる芝居。そんな吉右衛門さんの熱演もさることながら、糸滝を演じた隼人くんがなかなかのもの。声は少し難があったけれど見た目が良く、とても丁寧に演じていた。大きな動きからちょっとした仕草までかなりしごかれたのではなかろうかと勝手に想像。

三、釣女

とりあえずぶっちゃけちゃって良いッスか?じゃ、お言葉に甘えて…染さん、美しすぎ。釣られたい。染さんの白塗りお殿さま仕様は座っていながら立ち眩みする程の大好物。

冗談はさておき…といっても、演目自体がかなり冗談なんだけどさ。醜女の顔がありえない。どこをどうみても吉右衛門さんに見えなかったよ。怖いもの、見たくないものは度が過ぎると見ずにはいられなくなることを再確認させられた。歌昇さん大奮闘。可笑しみがあって、決して下卑ていなくて、がんばれがんばれと言いたくなる太郎冠者。

本当に楽しかった。「ほぉーっ」と絵巻物のような華やぎで始まり、父娘の別れにじーんとしたかと思えば、笑顔で、というより笑いを引きずりつつ芝居小屋を後にした。

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