歌舞伎座 芸術祭十月大歌舞伎

昼の部。1階一桁列20番台。入場前に隣の文明堂にてカステラモーニングセット。昼食は鱒寿司を半分。

一、「廓三番叟」
     傾城千歳太夫..芝 雀
     新造梅里....亀治郎
     太鼓持藤中...翫 雀

三番叟って、何種類くらいあるのかしら(と、思うだけで例によって調べない)。華やかだけれどあっさりしていて時間も短く、ウォーミングアップとしては良かったけれど、昼の部の終演時間を考えると、んー。まぁ、通し狂言が入っているとこんな構成になってしまうか。芝雀さんは色気より貫禄って感じだったかな。そんなに動きが激しいわけじゃないしね。亀治郎さんの新造はすぐに売れっ子になりそうな雰囲気。っつーか、もう客とってんじゃないの?(嘘)翫雀さんは気のよさが出ていて楽しかった。

二、「加賀見山旧錦絵」
     中老尾上....玉三郎
     召使お初....菊之助
     局岩藤.....菊五郎

やはりチーム岩藤とチーム尾上が大姫を挟んで並んでいる景色はいいねぇ。菊五郎さんの岩藤は、なんだろう…、御家転覆云々がなくても本人の性格上、尾上の存在を許せないっていうか、こういう人いるよなって感じの敵役だった。で、尾上も尾上で相当にプライドっつーか、自負心の高い人だ。そうじゃなきゃ、武家の出のお初に向かって、自分に仕えることが気にならないかなんて尋ねたりしないんじゃないかな。お初が出掛けた後のクドキはグッときたなぁ。政岡の時といい、どうも自分は玉三郎さんのクドキ場に弱いらしい。二幕目の尾上の打掛がかなり好みで、思わず舞台写真を購入。

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夜の部。2階2列目10番台。鱒寿司(昼の部の残り半分)。本日の土産持ち帰りは、芋きんつば、栗きんつば(栗きんつばは日持ちするっていうから、ついつい両方お買い上げ(笑)。) and こわれせんべい(梅味)。買いすぎだろうて。

一、「双蝶々曲輪日記 -引窓-」
     南与兵衛後に南方十次兵衛
          .....菊五郎
     女房お早......魁 春
     濡髪長五郎.....左團次
     母お幸.......田之助

とても良くまとまったお芝居というのが率直な感想。田之助さんのお幸は、情とか母親の愛とかを観ている側に押し付けてこない。そこが気持ち良くて素直に物語に入っていけた。それを誘引するのが前半の魁春さんのお早(かわいかったわぁ。)とのやりとりであり、菊五郎さんが演じる与兵衛の帰宅時のウキウキ加減なのかもしれない。

二、「日高川入相花王」
     清姫.......玉三郎
     船頭.......薪 車
     人形遣い.....菊之助

人形振りは妹背山の道行をテレビで観たことがあるのと、歌舞伎座では阿古屋の岩永左衛門を観たことがあるくらいだし、文楽もテレビでしか観たことが無い。で、今回はきちんと人形振りの演目を観ることができたわけだが、操られている人形というよりは、意志を持った人形といったところか。それにしてもどうしてあんな動きができるんだろう。操られていない時のクテッとしたところなんかは凄い。

三、「心中天網島 玩辞楼十二曲の内 河庄」
     紙屋治兵衛....鴈治郎
     粉屋孫右衛門...我 當
     紀の国屋小春...翫雀(雀右衛門休演により)

上方和事はねぇ、やっぱ苦手は苦手。でも、苦手ながらも結構楽しめたのも事実。我當さんの孫右衛門が良かったな。武家の振りをしている感じやら、治兵衛と小春の間に入って行ったり来たりしているところとか、面白く観られた。そうそう、壱太郎くんの丁稚がなかなかどうして。魅せてくれますな。

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先月に続いて今回も昼夜一日観劇。体力的には今月の方が楽だった気がする。休憩時間はちょっと意識して動き回るようにしたのが良かったかな。腰が悪いせいもあって疲れやすかったりするのだが、座りっぱなしはもっと良くない。って、そんな話はどうでも言い訳で、昼夜一気に観ての感想総括は、最後の河庄は別として「ザ・女形」な一日だった。

最後に一言。雀右衛門さん、早くお元気になられて下さい。復帰をお待ちしております。

※観劇日は15日(土)。

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