本日、人間国宝であり歌舞伎俳優の中村雀右衛門さんが亡くなられた。
六世歌右衛門丈が亡くなられた直後から歌舞伎を観始めた私にとっては今日までもこれからも立女形は雀右衛門さんである。
思いつくまま連ねてみても、金閣寺の雪姫、熊谷陣屋の相模、井伊大老のお静の方、野崎村のお染、芦屋道満大内鑑の葛の葉、吉田屋の夕霧、十種香の濡衣(多くの人は八重垣姫かもしれないけれど私はこちら)等々のお役は当時歌舞伎を観始めた頃だったこともあり、今でも鮮烈に覚えている。
もう足は殆ど動いていらっしゃらなかったが豊後道成寺を観ることができたのも貴重な思い出である。
最晩年のみを観ていた私ですらこうなのだから観劇歴の長い方たちは沢山の思い出とともに悲しんでいらっしゃるだろう。
著書である私事-死んだつもりで生きているでの戦地でのお話や女形としての遅いデビューによる苦労話など興味深く読ませていただいた。
人間国宝 中村雀右衛門の心の奥底に横たわるものもご一読を。
訃報を伝える記事としてはこちらの記事が内容あるかな。
歌舞伎を観始めた時の立女形があなたで良かったです。
雀右衛門さん、本当にありがとうございました。