似たような句をたくさん詠んでるなあ(笑)。
最後には高校野球を題材にした句をいくつか。
高校野球の句はシリーズ化したいものの観戦しているわけではなく、やはり似たような句ばかりになること間違いなしなので今年は気が向いたら詠みます。
- 愛しきは隠せぬ嫉妬山椒の実
- 許されぬ恋に山椒の実をかじる
- いじわる…と左手つねる山椒の実
- 処暑の朝別れの手紙読み返す
- 思い出をそっと流した処暑の海
- ふたりよりひとりが良いと処暑の海
- 影並べ処暑の浜辺は散歩道
- 彼の背に処暑の陽射しはまだ暑く
- その笑顔実椿となり我が胸に
- 実椿や過ぎ去りし日の置きみやげ
- 思い出にしたくないのと椿の実
- 軽やかに律の調べに舞う役者
- 軽やかな律の調べに乗る役者
- 衣擦れや律の調べで立ち去りぬ
- 降って止み止んでは降って律の風
- 彼の手に頬を寄せれば律の風
- 別れ際頬をなでるは律の風
- 律の風去りゆく恋を見送って
- 夏蔭で一休みする恋の道
- 夏蔭で手を振るあなた眩しくて
- 片蔭を歩く背中の涼やかさ
- 片蔭を行ったり来たり散歩道
- 寄り添ひて家路を急ぐ夜の秋
- 抱きしめる肌の熱さは夜の秋
- 傘閉じてそっと腕組む夜の秋
- ほろ酔いの庭に出てみる夜の秋
- 終電の扉の向こう夜の秋
- 夏雲に横恋慕して雨降らす
- 遠雷や空の青さに嫉妬して
- 夏の恋晴れのち曇り豪雨かな
- 青空を斬るよにすすむ入道雲
- 秋立ちてきみへの想い断ちがたし
- 立秋や晴れと雨との狭間で泣く
- 秋風よ吹けと節電の貼り紙にらむ
- ひぐらしや見送る背中消えるまで
- ひぐらしに包まれて読む便りかな
- 蜩に追いたてられて朝帰り
- ひぐらしや我が身の業が燃える音
- ひぐらしや我が身のうちで燃える業
- 夏枯れて旅の空からきみ想う
- 夏枯れや疼く心は恋しさか
- 蝉時雨わが身を包む静寂かな
- 待てぬ身を嘆くなかれと蝉時雨
- 空蝉の眺める空に色はなし
- 空蝉や焦がす身もなき恋に堕ち
- 空蝉の恋に重さのありやなし
- 空蝉の重さ軽さもきみ次第
- 空蝉や重さ軽さもきみ次第
- ゆく夏に還るあなたを待つ夜明け
- ゆく夏と帰るあなたを送る朝
- 八月の海が隔てる想い人
- 涼もとめ断崖に立つ我が身かな
- 白桃の如し頬寄せきみ微笑う
- 花芙蓉恋の盛りは短くて
- 夕暮れやさす人もつ人秋日傘
- 秋雨や頬のしずくにくちづけて
- 夏雲や進む馬群と飛ぶ馬券
- – 高校野球 –
- また一つ夏が去りゆく甲子園
- ゆく夏が輝き照らす敗者かな
- 夏終わる聴けども聴けぬ校歌かな
- 秋風や去りゆく球児とすれ違い
- 白球や初秋の風と共に消ゆ
- 今少し夏よ続けと追う打球
- 汗なみだ負けて秋来る球児かな
- 夏花の散るを見守る甲子園