2011年10月の句

雰囲気で押し切る句が多いです。
恋をテーマにしていたので多少仕方ないですが。

  • にごり酒見えぬ恋路を飲みほして
  • 愛すほど流るる涙にごり酒
  • 別れ際あなたの背中草の絮(わた)
  • 草の絮(わた)我が存在の軽さかな
  • 無花果の花が咲いたら叶う恋
  • 無花果や咲かぬ恋なら枯れもせず
  • 無花果や割れて初めて知る涙
  • 無花果や恋は隠れて咲かすもの
  • いつの日か貴方に添いたい烏瓜
  • 絡みつく手に握られた烏瓜
  • 坂道を転がり落ちる烏瓜
  • 色変えぬ松の様に添うふたりかな
  • 色変えぬ松に託して引く身かな
  • 色変えぬ松に問われて背を向ける
  • 色変えぬ松に問われて目をそらす
  • 色変えぬ松になりたしなりたくなし
  • 老松の色変えぬ恋とこしえに
  • 閉じ込めた恋は胡桃の部屋のなか
  • 言えぬまま胡桃に閉じた恋心
  • 愛情の裏返しかな鬼胡桃
  • 今日こそは胡桃割らんと意を決す
  • 井水やせ届く便りの短さよ
  • 去る背中涙も水も涸るるかな
  • 水澄みて心は濁り身は沈む
  • 来ぬ人をともに待たんと鶴来る
  • 我は鶴きみを探して渡る空
  • 曇天を包む光や金木犀
  • 秋暁や一人寝の目は冴えわたり
  • 抱きしめた心は何処(いずこ)雁渡し
  • 清秋や澱む浮世の男女かな
  • 薄紅葉最後の恋と決意する
  • 残る虫風に吹かれて飛ばされて
  • 出さぬ文書いては消して海螺廻(ばいまわ)し
  • 別れ告げ告げられままこのしりぬぐい
  • 菊人形着飾るほどに逃げる恋
  • 中抜きの大根の様(よ)に選ぶ恋
  • 木枯らしに押されてとび込む腕の中
  • 末枯れしふたりの影や陽が沈む
  • 気づいてとなんばんぎせるすすり泣き

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