2013年6月の俳句

  • 若葉雨傘もささずに原宿
  • 若葉雨空明るいしすぐ止むわ
  • 引き留める口実探す若葉雨
  • 梅雨空や座敷童と隠れんぼ
  • さみだるる蹲に咲く波紋かな
  • 傘のうちさみだるるのは涙かな
  • さみだるる別れのあとの出逢いかな
  • さみだるる軒の端より白い腕
  • さみだるる軒端より出づ白い腕
  • 後朝(きぬぎぬ)の言葉少なにさみだるる
  • 青梅雨や黄色い長靴水たまり
  • 青梅雨の香り抱き込み閉じる傘
  • 庭の石星散りばめて苔清水
  • イエルは風に流され芒種かな
  • 鈴なりのカンパニュラたちそっぽ向く
  • 夕日落ち蛍袋の灯も消える
  • 行道を蛍袋に案内され
  • 桜桃の実はまだ黄色若々と
  • 桜桃の軸先に取り食べる人
  • 桜桃の実に顔寄せてキスの真似
  • さくらんぼ生クリームに沈めたい
  • さくらんぼ軸絡まって恋模様
  • 賑やかね顔はひきつる夾竹桃
  • 解いた帯纏う襦袢の緋鯉かな
  • 酔い醒まし庭の緋鯉とにらめっこ
  • ピンヒール浮き世さ迷う緋鯉かな
  • 風は凪温む田水や早苗月
  • 早苗月子らの背丈や伸び伸びと
  • 明早し映画三本いつの間に
  • 明早し帰る背中も見せぬひと
  • 賑々と空に向かいし今年竹
  • 今年竹去年来年再来年

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