毎月1日は前年同月の俳句をまとめて投稿していたのですが、昨年は9月以降プログの更新が止まってしまったため、しばらくの間は1日に一昨年(2012年)、2日に昨年(2013年)の俳句を掲載していきます。
- 龍田姫何処におわすと汗拭う
- 雨音が途切れて現る秋の蝉
- パンッと手を叩いて飛び立つ稲雀
- 園児らの黄色い帽子稲雀
- 稲雀案山子からかう群舞かな
- 息ひとつ吐いて出掛ける白露かな
- 服の色少しだけ濃く白露かな
- フサフサと纏わりついて玉蜀黍
- 粒揃う玉蜀黍の美しさ
- 秋場所や幟(のぼり)の下で待ち合わせ
- ピーマンや我の心か頭ん中か
- ピーマンに力を込めてナイフ刺す
- ピーマンを克服してから会いに来て
- ピーマンや色鮮やかに得意顔
- 傘とじる風船蔓の揺れる道
- 上げようかそれとも降ろそか秋簾
- 文届く揺れる心と秋簾
- 残り香を引き留めるかな秋簾
- 抱き寄せるその頼り無さ秋簾
- おざなりな言葉に笑ふ秋簾
- えりあしに射す陽揺らすは秋簾
- 頬伝ふ涙に揺れる思草
- うつむいた視線の先に思草
- 思草好きと言えずに俯いて
- 寺参り帰りの道に思草
- 添水(そうず)鳴る見上げた空の雲速く
- 枯れ果てて鳴らぬ添水の跡悲し
- 添水鳴りしおり挟んで席を立つ
- 水溜まり映る子規忌の空青く
- 子規の忌や長靴で蹴る水溜まり
- 粥すくう匙の塗り剥げ子規忌かな
- 妖しげに誘うその指杜鵑草(ほととぎす)
- うなされた午睡のそばに杜鵑草(ほととぎす)
- 見つめてる見つめられてる杜鵑草
- 秋興やいつしか忘れる雨の音
- 秋興や雨音もまた愉快なり
- 秋興に耽て老けるを忘れたり
- 満開の紫苑に隠れまあだだよ
- 川向こう紫苑の帯が咲き誇る
- 不知火や見えぬ相手に嫉妬する
- 不知火がそっと心の闇灯す
- 秋雨や心の塵を流し出す
- 秋雨が止んでサドルの水拭う
- 秋雨に毛づや一際本命馬
- 秋雨に足留められてもう一杯
- 静かなる秋雨の音子守唄
- 嵐きて静かに籠る良夜かな
- 見えずとも一本つけてと月見酒
自由律俳句
- ひと月前に録ったラジオを聴いて今更の夏気分