一つの季語に対してもっとたくさんの俳句を作るようにしなくては!
- はらはらと落つる涙の露寒や
- 露寒や向かいの家の雨戸開く
- 粗挽きの珈琲の湯気露寒し
- 終電後タクシーの列冬支度
- 冬支度マネキン達に急かされて
- 熟れた柿指突き刺して一舐めす
- すれ違う風の行き先秋の果て
- 丸干しの潤目漬け物お味噌汁
- 喧嘩して焼いた潤目を丸かじり
- たすき掛け潤目鰯の煙かな
- ちり鍋や誰も奉行に従わず
- ちり鍋や白菜萎れ待ちぼうけ
- 話し掛けもせずにされずに浮寝鳥
- いろいろと諦めてみる浮寝鳥
- 火吹竹恋の炎に不要なり
- 盾になる人のありなし北風や
- 北風や抗うことの辛さかな
- 絡めあう指あたたかく冬兆す
- 抱きしめた夜明けの駅に冬兆す
- 見苦しいこの世全てを霜囲い
- 霜囲い我も囲いて守り給う
- 霜除や大事にしたい恋だから
- 冬ざれや抱き合ったまま止まる時
- 冬ざれは嫌とクリーム塗るかかと
- ヌーボーのワインのような浮気かな
- 手を出した女はボジョレーヌーボーか
- 忍ぶ恋占ってみる返り花
- 返り花数えて占う云えぬ恋
- 涙して柊の花落つるかな
- 柊の花のこぼれて靴飾る
- ふんわりと小春日和や卵焼き
- 小春日の恋思ひ出す老女かな
- ミル回す手のふと止まる小春かな
- 咳き(しわぶき)や寝た振りで待つソファかな
- ホームにて咳き一つ言葉無く
- 荒涼としたキッチンに冬菜かな
- 膝毛布するりと落ちた花模様
- 膝毛布そっと畳んで居を正す
- 置いた手の上から掛ける膝毛布
- 恋い焦がれ愛しの君よストーブや