パッと見、数はありますが酷い作品ばかりで情けない。
この頃辺りから作れなくなってきたのかしら…って最初からたいして作れてないですね。
では、昨年七月の俳句です。
- 夕焼けの長さ測りぬ半夏生
- 半夏生心の傘は閉じぬまま
- 漂えど遠出叶わぬ浮葉かな
- 踏み出せぬ浮葉の上の逢瀬かな
- 重量の制限厳し蓮浮葉
- 大粒の雨に揺られし蓮浮葉
- 長閑なり浄土の浮葉数えおる
- 平らかにただ平らかに浮葉かな
- 梅雨寒の風呂で溺れて慌ており
- 梅雨寒やホットミルクにハチミツを
- 熱に耐え湯気にも耐えぬ冷素麺
- 七夕や願いごとなくまた来年
- 階段の雨滝となり小暑かな
- 雷の音まだ遠し小暑かな
- 長靴の足取り重く小暑かな
- 灰汁取りのおたますべらす小暑かな
- 野球部の声に合いの手初蝉や
- 初蝉や道路工事と張り合って
- 帰り際伽羅蕗持たす親ごころ
- タッパーに伽羅蕗持たす親ごころ
- 伽羅蕗のどっと盛られし柿右衛門
- 伽羅蕗や時期のはずれた里帰り
- 伽羅蕗や摘み食いする風呂上がり
- 朝曇皿に眩しき目玉焼き
- 朝曇急ぎむしった草の山
- 冷房をいれて二度寝の朝曇
- 青蘆や翳した指を斬り給ふ
- 蘆茂るふと気がつけば川の中
- 地に足の着かぬ人生金魚玉
- 金魚玉見上げる空の水の草
- 雨音や団扇休めて窓開けぬ
- うなだれた視線のゆくえ朝顔や
- 初浴衣日頃の姿勢の悪さかな
- 病ではありませぬぞよ初浴衣
- 初浴衣下駄によろけて躓いて
- おくれ毛に気づき慌てる初浴衣
- 初浴衣誰に見せたいわけでなし
- 初浴衣うなじのいまだ白きかな
- 餡蜜や朱塗りのうちの小庭かな
- 餡蜜や向かいで薄茶啜る母
- 餡蜜や求肥一枚ちょうだいな
- 洗い髪慌てて下ろす簾かな
- 梅雨明けぬ昨日と勝手に判断す
- カーテンのそよげど鳴らぬ風鈴や
- 羅(うすもの)や樟脳香る雨宿り
- 柚子の香焚きしめてみる熱帯夜
- 腕いっぱい抱えて笑ふ初なすび
- 靴ずれの瘢はずかしやビーチサンダル
- 逢えぬ人見えぬ花火のもどかしさ
- 暑中見舞い2円足りずに慌ておる
- 見違えた幼なじみや夏雲雀
- 束の間の恋探しおる夏雲雀
- くちづけて氷金時後悔す
- 匙くわえ何処から攻めよ氷水
- 食べるより解けるが速い氷水