昨年の夏はどんなことを考えて過ごしていましたか?
私は如何に冷房を使わずに過ごすことしか考えてなかった気がします。
あ、俳句についてですか(笑)。
前年七月の俳句を見ても思うのですが、一つの季語に対して幾つも作ってみるということを最近は怠っているように思います。
閃いたところから掘り下げ、彫り広げていく作業が必要ですね。
では、昨年八月の俳句です。
- 炎昼やガラス煌めくアスファルト
- 炎昼やしかめっ面で急ぎ足
- 炎昼の街路樹踊るボサノバで
- ボサノバの流れるテラス土用波
- 甘酒や徒然にめくる絵巻かな
- 飛蚊症しみる蚊遣りの煙かな
- 冬瓜の透き通る影通す箸
- 秋立てど涼しからずや雨の滴
- 秋立つも涼しからずや雨の滴
- 雲行きて継ぎに控えし蝉時雨
- 雨あがりどっと降り出す蝉時雨
- フリスクを五個放り込む残暑かな
- 耳鳴のする方角か盆の道
- 傘干して日除け差す朝盆の入り
- がく削るぐるり形なしオクラかな
- 鰹節やオクラ一本転がりぬ
- 角ばって転がるオクラ指で追う
- 秋鯵やDHAは如何程か
- 秋鯵や体脂肪など気に留めず
- 買ってみた後で悩める秋鯵や
- 飽くことのない旅続く処暑の酒
- 処暑の日に恋終わるなり吉兆か
- 表情のない人の波処暑の街
- 人生の岐路に立たされ処暑の朝
- 処暑の日や少し暗めの帯揚げで
- 雨の朝夏の残り香探しけり
- 秋雨や草刈る匂い染み込まん