サントリー美術館にて歌舞伎展

2月6日より始まった「歌舞伎座新開場記念展 歌舞伎 江戸の芝居小屋」をサントリー美術館にて鑑賞。
展覧会の構成は「第一章 劇場空間の成立 / 第二章 歌舞伎の名優たち / 第三章 芝居を支える人々」となっている。
音声ガイドはイヤホンガイドでお馴染みの塚田圭一氏。

事前に公式サイトで展示替リストを確認すると2月18日で下げられてしまう展示物があることと、自分自身もサントリー美術館の年会員の更新をする必要があったため取り急ぎ赴いた次第である。
取り急ぎ行った割にはしっかり2時間掛けて見てしまったのだが(笑)。
 
最初に展示されている「日吉山王祇園祭礼図屏風」に、なんだかすごくお馴染みの図屏風なんだけど…などと思っているとサントリー美術館所蔵だった。
しかし、この屏風も18日までの公開。
同じく18日まで公開の図屏風で目を引く「都万太夫座図屏風」は幕府によって規制された若衆歌舞伎のあとに登場した野郎歌舞伎を伝える。(早稲田演劇博物館所蔵)
浮世絵からは広重の名所江戸百景より「猿わか町よるの景」(個人蔵)
櫓から幕も外された芝居がはねたあとの素晴らしく綺麗な青い夜空に満月が浮いている。
用水路に森田座の文字があり、近くに展示されている猿若町全図と照らし合わせて見るとおもしろい。

役者絵はかなり展示替が細かいので、全部見ようとすれば週一ペース?
役者絵が展示されたときの定番ともいえる五代目幸四郎の鼻と五代目半四郎の目もしっかり楽しめる。
鳥居清信による「風流・絵本 四方屏風」には実にいきいきとした役者絵が描かれており、まさに役者名鑑。(平木浮世絵財団所蔵)
四方屏風としては会期中通して展示される入替えあり。
三代目豊国肉筆画の「三代目尾上菊五郎舞台姿」は由良之助と与茂七の姿をした二人の菊五郎が一幅に描かれている色鮮やかな一品は18日まで。(早稲田演劇博物館所蔵)

挙げていくとキリがないのだが、役者の素顔を伝える作品を幾つか。
九代目團十郎自筆による「俳句かるた」は柔らかい絵が印象的。(早稲田演劇博物館所蔵)
「草花図」は十五代目市村羽左衛門による橘(蜜柑)、六代目尾上梅幸による梅、六代目尾上菊五郎による菊が一枚に収められた合作。(株式会社歌舞伎座所蔵)
歌舞伎座楽屋の欄間に描かれた六代目中村歌右衛門画「紅白梅図」。(松竹大谷図書館所蔵)
いずれも18日までの展示である。

また、六代目中村歌右衛門が舞台で使用した描絵(仕立て上がったものを一枚の画布と見立てて描く手法)による揚巻の打掛(世田谷美術館所蔵)は三期に分けて六領が展示される。
 
展覧会は3月31日まで。
 
私はあと三回行きたい。
いや、だってそのための年会員ですもの(笑)。

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