- 朝の駅赤富士の様に逢えぬ人
- 逢えぬから逢いたいと云う赤富士や
- 想い出を探すがごとく蛍狩り
- 読経の声追いかけて蝉時雨
- 抜け殻の葬送曲は蝉時雨
- 抜け殻の葬送曲や蝉時雨
- 蝉時雨この世に独りばかりなり
- 縁側で足投げ出して蝉時雨
- 蝉時雨追い立てられてコンビニへ
- だるまさんころんで止まる蝉時雨
- 目眩してしゃがむ我が身に蝉時雨
- ビルの谷入道雲の山望む
- 逝く夏や流す涙の嘘バレて
- この道は夏の果へと続く道
- 恋の果夏の果より先に来ぬ
- しなだれて酔ったふりする芙蓉かな
- 風吹かず芙蓉も揺れず我酔わず
- 朝顔の蔓に抱かれて寝坊する
- 十三夜何が足らぬか分からずに
- 新涼の朝や番茶もぬるくなり