国立劇場・12月歌舞伎公演「花雪恋手鑑・勧進帳」

歌舞伎座も観に行きたいのですが、なかなか時間が取れなくて、今月は染さんご出演の国立劇場を優先しました。時間取れないとか言いながら、来週もう一回国立に行く私…ぉぃ。
おもしろかったですよ。あまりに対照的な演目の組み合わせでしたが、メリハリがあって良かったかも。あれ、先月の松竹座もこんなこと書いてなかったけ?

「花雪恋手鑑」二幕六場
  上の巻
   東山狩野別荘の場・真葛ヶ原裏道の場
  下の巻
   高津社南坂の場
   野戸町四ッ辻の場 
   同 妾宅塀外の場
   同 奥座敷の場
    狩野四郎二郎元信・・・染五郎
    小雪・・・・・・・・・芝雀

歌舞伎十八番の内「勧進帳」長唄囃子連中
    武蔵坊弁慶・・・幸四郎
    富樫左衛門・・・染五郎
    義経・・・・・・芝雀


「花雪恋手鑑」

上演されるのは46年振りとか。復活狂言ってやつですな。風紀が乱れるということで大正時代に上演禁止処分をくらっているそうです。風紀が乱れるような主人公を演じる染さん、ふふっ。染五郎丈曰く「馬鹿ップルの話」だそうですが「いや、あんたの役はバカ旦那だけど、小雪は仕方がねぇだろよ、ぉぃ」と思うのは自分が女だからでしょうか。

簡単に書くと、勘当されて、許嫁に金を無心して、暗闇でぶつかった女を自分の許嫁と気がつかずに襲って(襲われた方も気がついていない)、養育費がついてくるからとその金目当てに赤ん坊を引き取り、その赤ん坊は自分の許嫁が生んだと知り、さんざん怒って文句を言ってみたら、自分が襲った時にできた子供だった…んなアホな。いや、そんなアホな話なんですよ。

アホな話ではありますが、ちゃんと真面目な部分もありまして、この四郎二郎元信くんは先妻の子でして、母親の違う弟(後妻の連れ子?ちょっと記憶が曖昧)が家督を継げば良いとわざと放蕩息子になったわけですよ。で、大事な巻物と宝剣が無くなってしまい一大事。元信くんは放蕩しつつ家宝を探しているのか、探しつつ放蕩三昧なのかわかりませんがね。

染さん、色っぽかったわぁ。特に小雪を襲った後(ぉぃっ!)の顔っつーか、身のこなしというか…いやん♪

芝雀さんの小雪もとても可愛くて「こちの人♪」「もう一度言っておくれ」なんて、じゃれついているところなんて、お前ら、一生やってろよ!ってな感じでした。

最初の場面は普通に堅く始まり、馬鹿旦那が登場して(許嫁に金を無心するために勘当された自分の家に立ち寄る)からは一気に世界が変わるので、客席に一瞬「笑っちゃっていいの?」という戸惑いの雰囲気が立ち込めたのですが、もって行きましたよ、高麗屋の若旦那がそっちの世界にしゃにむにみんなを引き込んで行きましたね。あ、持っていかれたのは私だけ?染五郎さんは上方歌舞伎に傾倒しているようですが、上方歌舞伎が好きという他にも、上演回数が少ない作品、関東で上演する上方ものということもあって慣れていない観客を引きずり込んだ時に役者としての快感みたいなものがあるのかな。自分が観たいと思う古い作品を見つけた時、だれもやらないなら自分がやるという意気込みだそうですが、次はどんな上方歌舞伎を掘り起こしてくるんでしようか。

小ネタ(入れ事)も満載で、とにかく楽しいお芝居でした。

「勧進帳」

前回観た時は歌舞伎座で染五郎さんは義経。今回は富樫です(二度目だそうですが、私は初見)。染さんは松羽目ものの舞台が似合う(はい、贔屓の欲目です)。
幕があき、颯爽と登場する富樫左衛門。衣装も似合っているし、品もあるし…はい、贔屓の欲目です。

駿河次郎の亀三郎さん、声も素敵でしたし見栄えも良いし、ちょっと気にしてみたい役者さんにリストされました。それから、後見の錦弥さんも感じ良かったです。後見って無視するものなのかしら?こんな風に感想言うものじゃないのかな。

本当は「勧進帳」って、嫌いとかではないんですが、あまり興味ないんですよ…えぇぇぇぇぇぇっ!なんでだろう。わかんないけど、なぜなんでしょうね。松羽目ものが嫌いとか興味がわかないとかそういうことはありません。んー、今度機会があったら考えてみます。

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