日生劇場 夢の仲蔵千本桜

昼の部。1階一桁列20番台。入場前に隣の帝国ホテルのラウンジにてコーヒーとケーキ。

夢の仲蔵千本桜 -二幕十三場-
    中村仲蔵....幸四郎
    中村此蔵....染五郎
    河竹新七....友右衛門
    市川團蔵....錦吾
    中村里好....吉弥
    小佐川常世...宗之助
    芳沢崎之助...鐵之助
    中村又太郎...幸右衛門
    中村大吉....高麗蔵
    半兵衛.....芦燕
    森田勘弥....秀太郎

2003年の「夢の仲蔵千本桜」は新橋演舞場で上演されたが、今回は廻り舞台の無い日生劇場。同じ日生劇場で上演された2000年「栄屋異聞伝来 夢の仲蔵」、2002年「新・夢の仲蔵」も観ていたので舞台転換の方法の想像はついていたけれど、千本桜にどんな風に使うのかというのはこの観劇の楽しみの一つだった。再演ということで芝居自体が練り直されていることを差し引いても、廻り舞台よりこちらの縦横紙芝居型の展開の方が私好みである。劇中歌舞伎を上演するには新橋の方が何かと都合が良いのかもしれないが、メインであるバックステージ部分は日生劇場の方があっている。そんなこともあってか、前回よりも芝居小屋の部分がより強調され、劇中歌舞伎は演じていることを演じているように感じた…って、ちょっと日本語が変? んー、ちょっと奥まったところで上演されているように感じたというか、こちらに迫ってくるようで迫ってこない感じ。芝居の感想を書きながらいつも思うのだけれど、感覚的なものを表現するって難しいね。物書きの人って凄いわ。っと、話を戻そう。違和感というわけではないのだけれど、染さんが「義経千本桜」で忠信を演じたらどんなかなぁ、なんて思いながら観ていたわけだ。染さんが染さんに観えなかったことが狙い通りなら、私ってなんて良い観客なのかしら(笑)。なんかさ、此蔵が印象的過ぎて、忠信を観ていても染さんなんだか此蔵なんだか訳分からんって感じだったよ。思えば、前回は此蔵のことをそんなに好きではなかったのかも。今回も此蔵が好きかと訊かれると困るけれど…って、どうなんだよ、ぉぃ。あー、ビジュアルはかなり好み(笑)。

秀太郎さんは前回は里好役だったので、最初に再演の情報をキャッチした時には「秀太郎さんの静御前姿がまた観られる?!」と思ってしまったのだけれど、このちょっとすっとぼけた(失礼!)勘弥役もとても楽しかった。失礼を承知で言うと、可愛いんだよね。ホントに可愛いのよ。その勘弥役で前回出演されていた友右衛門さんが河竹新七で出られたのだけれど、断然、今回の方が良かったなぁ。最後の引っ込みのところで、幸四郎さんとそっくりな瞬間があって驚いた。まぁ、従兄弟なんだから似ていてもおかしくないんだろうけれどさ。

本当はもっと前回の記憶と比較して書くつもりでいて、正確を期すために2003年の筋書を探したのだけれど、どういうわけか見つからない。コクーンとかこの梨苑座の筋書は同じところに保管しているのに2003年の千本桜だけ別のところに入れてしまったらしい…探さなきゃ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください