五月花形歌舞伎・昼の部 感想

観劇日5月8日。一階一桁列上手寄り。

とにかく「挑戦」の演目が並んだ今月の新橋演舞場。
歌舞伎座が長い休みに入った月に相応しいのではないでしょうか。
初日前は、はとこである染五郎、松緑、海老蔵のお三方が家の芸、初役などでフィーチャーされていましたが、七之助強化月間でもあるような気がしないでもありません。
勘太郎さんが昼の部だけなのが残念ですね。
単なる挑戦ではなく、結果が求められる厳しい日々。
私なんかは十年後、二十年後に話の種になる舞台を見せていただけるというだけで満足なタチなんで何方も此方も素敵に見えちゃう訳です。
世の中、お金を払っているというだけで厳しい方が多うございますから(苦笑)。
では、相変わらずピントずれた甘々の感想を…。

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一、菅原伝授手習鑑「寺子屋」

松王丸......海老蔵
千代.......勘太郎
戸浪.......七之助
園生の前.....松 也
百姓吾作.....寿 猿
涎くり与太郎...猿 弥
春藤玄蕃.....市 蔵
武部源蔵.....染五郎

流石に花道の出はまだまだ厳しいですなぁ。
ま、私自身の席もやや前であり、お隣とそのまたお隣の頭の関係で見え難かったことは確かではありますが、線の細さは否めない。
源蔵の立場、境遇では堂々として出てくるわけではない…が、役者としての大きさは出さねばならない。
難しいお役ですが、今はこれで良いのかと…って、どんだけ偉そうなんだよ。
七之助さんの戸浪も華奢ではありますが、きちんと女房してるんですよね。
海老蔵さんはあのお年であの拵えに全く負けていないのはどういうこと?
成田屋型の首実験を拝見できて良かったです。
インターネットで事前に情報を得ることができたことにも感謝。
勘太郎さんが出てこられて古風さが増しました。
花道での横から拝見した姿が勘三郎さんに似ていらしてドキッとしました。
親子ではありますが、輪郭やら肉付きやらは全然違いますからね。
千代と源蔵の立ち回りにはググッと引き寄せられました。
以前納涼で観た御浜御殿、パルコ歌舞伎の時にも思いましたが、染五郎さんと勘太郎さんは敵対しているが憎みあっている訳ではない、味方同士かと思えばそうでもないという関係性を演ずる時にとても相性の良いお二人だと思います。
と書きましたが、そういうのはありがちなシチュエーションですかね(笑)。
二組の夫婦が居並ぶ絵面は若さと線の細さは別として、見栄えの良いものでした。
涎くりの猿弥さんの可愛らしさと柔らかさが良かったです。

二、義経千本桜「吉野山」

佐藤忠信実は源九郎狐...勘太郎
早見藤太.........猿 弥
静御前..........福 助

勘太郎さんの忠信実は源九郎狐に福助さんの静御前。
ここでも早見藤太で猿弥さんが大活躍。
正直、ちょっと勘太郎さん堅いかなぁって思いました。
どこがどうという訳ではないのですが、気持ちそんな感じ。
丁寧さが私の目にはそういう風に映ってしまったのかもしれません。
福助さんはいつもながら手が綺麗。
そして、左の横顔がとても美しかったです。

三、新皿屋舗月雨暈「魚屋宗五郎」

魚屋宗五郎......松 緑
女房おはま......芝 雀
磯部主計之助.....海老蔵
召使おなぎ......七之助
小奴三吉.......亀 寿
岩上典蔵.......亀 蔵
父太兵衛.......市 蔵
浦戸十左衛門.....左團次

以前に松緑さんが宗五郎を演じられたのは拝見していません。
先程の染五郎さん同様、花道の出は厳しいですね。
でも、お二人とも今月後半には全然変わっているんだと思います。
松緑さんはくりっくりの目が愛らしくて、世話物でもいい味をだされますね。
と同時に、世話物ってほんとぉぉぉぉぉに難しいんだなぁと思わされました。
芝雀さんのおはまですが、さすがの貫禄で、しっかりものの女房でした。芝雀さんって砥粉塗りのお役、珍しくないですかね。
左團次さん、素敵です。

四、「お祭り」

鳶頭...........染五郎

ふふふ、やっぱり似合いますね。
先程の勘太郎さんのところでも書いたのですが、やはり丁寧さが勝ってしまっているのかしら。
もう少し若々しくされても良いと思いました。
部屋子の錦成くん、きびきびとした動きで頑張っていましたよ。

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色々と書き留めてEvernoteに放り込んだままにしていました。
今週は昼の二回目、夜の一回目観劇を予定しているので大慌ての更新でした。

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