五月花形歌舞伎・夜の部 感想

観劇日19日。1階一桁列上手寄り。

夜の部一回目の観劇感想です。
この日は昼夜連続で観劇しましたが、それぞれに重い狂言が組まれている割に最後まで疲れず楽しめました。
若い役者さんだったことで適度に軽くて見やすかったのでしょうか。
ま、楽しかったのでどうでもいいです(笑)。

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一、一谷嫩軍記「熊谷陣屋」

熊谷直実.......染五郎
源義経........海老蔵
相模.........七之助
藤の方........松 也
梶原平次景高.....錦 吾
堤軍次........亀三郎
白毫弥陀六......歌 六

いつかはされる役でも、三十代のうちに熊谷をなさるかどうか微妙だなと思っていたのですが、歌舞伎座が休みに入った直後の花形歌舞伎。
発表されたときには、あぁなるほどとも思いました。
まずはあの拵えが似合っていらしたことがなにより。
スチール写真が今一どころか今二、今三なのはいつものこととはいえ、生身を見るまでは不安です(笑)。
ベースは吉右衛門さんで、時折幸四郎さんが漂うといった印象でしょうか。
藤の方を押し戻すところなんか吉右衛門さんそっくりでした。
私的には染さんの熊谷初演を見られたというだけで満足です。
色々言い出したらキリがないし、もう一回観に行く予定ですしね。
七之助くんの相模は頑張ってる感が時折感じられるものの、昼夜とも夫婦役の効果か、熊谷と相模の距離感といいましょうか、武将の夫と来るなと言われた戦場にやって来た妻という関係性がよく表現されていて良かったように思います。
藤の方の松也くんは、顔立ちに品があるのであの拵えは合いますね。
これは昼の園生の前も同様。
海老蔵さんの義経は大将の風情がありますが、台詞の調子がご機嫌良すぎ。
血も涙もないだろ、お前とツッコミたくなりました。
歌六さんの弥陀六は流石の貫禄で、この若い舞台を締めるというか締め上げてます(笑)。
 
 
 
二、うかれ坊主

願人坊主.......松 緑

愛嬌があって、松緑さんに合った演目ですよね。
願わくはもうちょい色気がほしいかな。
熊谷後の助六の前って、なかなかヘビーなところを任されてらっしゃいますが、この狂言の並びに歌舞伎観劇の楽しさを感じます。
 
 
 
三、歌舞伎十八番の内「助六由縁江戸桜」
     三浦屋格子先より水入りまで

花川戸助六......海老蔵
三浦屋揚巻......福 助
白酒売新兵衛.....染五郎
くわんぺら門兵衛...松 緑
三浦屋白玉......七之助
福山かつぎ......亀三郎
朝顔仙平.......亀 寿
番頭新造白菊.....歌 江
通人里暁.......猿 弥
国侍利金太......市 蔵
遣手お辰.......右之助
三浦屋女房......友右衛門
髭の意休.......歌 六
曽我満江.......秀太郎
口上.........左團次

とにかくとにかく楽しめました!
海老蔵さんの助六って凄い。
口上で左團次さんが鷹揚にご見物っていうけど違いますね。
確かに團十郎さんの助六は鷹揚に見物だけど、海老蔵さんのはこちらは群衆で、目撃者として巻き込まれていく印象。
助六に自分を近づけるのではなく、助六を海老蔵の土俵に引きずりあげているように感じました。
成田屋海老蔵が演じる歌舞伎十八番に対する彼なりのやり方なのかもしれません…って、偉そうですね。
ゴメンナサイ。
煙管を爪先に差して意休に差し出す姿、こんなに無理がない助六は他にいないと思います(笑)。
意休は左團次さんの印象が強いので、歌六さんが出てこられた時は「あ、結構小柄なんだわ」と思いましたが、芝居が進むに連れて忘れちゃいましたね。
白酒売の染さん!!ノックアウトです。
あのオトボケすまし顔は見ていてニヤケずにいられない。
海老蔵さんの助六といいコンビなのですよ。
この先も海老蔵さんが助六をされるときは、染さんの白酒売でお願いしたいです。
揚巻、格好良かったです。
水入りでの啖呵切りは最高♪
白玉の七之助さんですが、今月はあの細身の身体で本当にタフな活躍されていますね。
堂々としていて立派でした。
並び傾城には大好物の京屋シスターズがいらして大満足です。
亀三郎さんの声はいつ聞いても素晴らしい。
颯爽としていて本当に素敵です。
一つずつ書いているとキリがなくなるのでこの辺りにしておきます。
 
 
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夜の部の二回目は千穐楽前日を予定していますが、あまり感想とか書くことは考えず、思いっきり楽しんできます。
 

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